2020年6月2日|マサキ食品さんの復興豆腐

 

いよいよ

マサキ食品さんの千葉さんのお豆腐のことを書くのですが、お豆腐作りを見せていただいて以来、私の拙い文で、しっかりお伝えできるのだろうかと心配になって、なかなか書き出せないでいました。お豆腐を作られているお仕事を拝見し、販売の姿勢も含め淡々と平らな口調でお話いただく様子に、すっかり「まいりました」という気持ちになったのです。

マサキ食品の千葉さんです。

 

マサキ食品さんのお豆腐は美味しい、美味しいと

ただそう思っていましたが、やはり美味しいものには、地味なほど、誠意で積み重ねている仕事がありました。

大切に作られているお豆腐を、私たちの大切なお客様にお届けできることを改めてありがたく思います。

お豆腐作りを見せていただけますかとお願いしたら、「朝3時からやっていますのでどうぞ」

と、仰っていただき、5時ごろから絹ごしを作ります。言われたので、5時に到着しました。

ちょうど、木綿豆腐を作る豆乳ににがりを入れているところでした。

 

 

次は絹ごし豆腐です。

地釜にお湯を沸かしています。燃料は薪です。

 レンガを積んだかまどに鉄の羽釜鍋がかけてあります。

マサキ食品さんは明治28年創業で千葉さんは5代目でいらっしゃいます。

震災前まではボイラー窯で豆腐を作っていたそうです。

震災を経験した千葉さんが、「豆腐を作り続ける」ことを考えた末、山に入って手入れをし、そこで得た薪を自ら用意し

豆腐を作ることにしたそうです。

薪は大、中、小と大きさを分けてあり、

また木の種類によっても火力が違うので、このサイズ分けされた薪のかまどへの入れ方によって火加減を調整します。

宮城県気仙沼 階上産のミヤギシロメ大豆です。

決まった農家さんへ一年分お願いしているそうです。

 

お湯の中に「生呉」といわれる大豆のすりつぶしたものを入れます。

鍋底に生呉がつかないように浮かせるように静かに入れていきます。

大きなへらを入れて練るようにしながら呉を炊いていきます。

通常ボイラーであれば15分程度で炊きあがりますが、千葉さんはここで3倍以上の時間をかけてゆっくり豆の味を十分に出し切るまで炊いています。

この長い道具はたぶん名前がないと思います。

千葉さん独自の製法ですし、この道具も千葉さんが手作りされたものです。

鍋底を触るための道具です。この道具で鍋底に触ったときの感触で炊き上がりを見極めるのだそうです。

気温や湿度によって毎日、変わりますから、大豆に聞きながら炊いているように見えました。

そろそろ炊きあがりです。

 

鉄釜から炊きあがった呉を取り出した後の鍋底です。

うっすら焦げ始まったのがわかります。

このほんの少しの焦げがでるところで止めるのだそうです。

驚きます。

千葉さんは大きなへらで、かき混ぜながら、かまどの火加減を薪を足しながら調整し、時々自作の長い棒で鍋底を触りながら、この「うっすら焦げたところ」まで炊き上げるのです。

このほんの少しの焦げで大豆の香ばしさが加わるそうです。

 

ここで豆乳とおからに分けます。ここは機械です

昔も大鍋で生呉を炊いていたでしょうが、昔はここから先、重石をかけて絞っていたので、こんなに濃くしたら絞れなかったでしょう

ここは機械で絞るから、この濃さでも絞ることができるのだそうです。

 

絞りたてをごちそうになりました。

濃いのにしみるよう。濃いのにさらっとしている。何も味付けしていないのに豆のポタージュスープのようです。

千葉さんは、もっと濃い味のインパクトのある豆はあるけれど

毎日食べて飽きない味の豆腐を作りたいと思っています。

と仰いました。

温度を確認して

細心の注意でにがりを入れます。

 

こうして絹ごし豆腐ができます。

一度の釜で40丁だそうです。

出来上がった豆腐は、千葉さんご自身が気仙沼市内のお客さんのところへエリアと曜日を決めて販売に行きます。

 

山に入って木を伐り薪を準備するところから始まる千葉さんの仕事に心から敬意をもってこれからも美味しくごちそうになります。

 

マサキ食品さんの絹ごし豆腐は

2019年全国豆腐品評会 東北大会で金賞を受賞されています。

ぜひ 生でいただきたいです。