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斉吉気仙沼便り:蔦(ツタ)のこと

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2014年05月07日斉吉気仙沼便り

蔦(ツタ)のこと

赤さびのうねトタンをびっしりと覆ったツタは、とても力がありました。
何年も、人が住まなくなり閉まっていた木枠のガラス窓の隙間を少しずつツタは入りこんで、私たちが見たときには部屋の天井いっぱいに覆っていました。
まるで お化け屋敷のようだ
ここに住むしかないことへの、不安な気持ちで眺めた天井のツタは決して楽しい光景ではありませんでした。

それから一年と少し後、赤さびの倉庫兼アパートを解体することになった日に遠くから来られた方が なんと、そのツタをとっておくようにと言ったのです。
その時は「はぁーツタすか?とっておぐって?何のごどだべ」と思いましたが、建物の解体と一緒にいなくなるツタがなんだか とても愛おしく思えて
とっておくことにありがたく賛同しました
根に近い茎を30cm位切って3本送るように言われました。送る先は明治から150年続く植物の卸問屋さん。世界で活躍しておいでの方のもとへ
もう これは、何一つ私たちの力ではありません。

それから2年が経とうとしています。育つかなーと心配した時期もあったそうですが つい先日そのツタが青い、かわいい葉をつけて生きている写真を見せていただきました。
なんということでしょうか。私たちでは思いもよらないことでしたが、ずっと遥かに楽しいお考えを持つ方々のおかげでツタは生きており、今度私たちの家に戻ることになりました。こんなことって あるのだろうか!という幸せです
ツタは蔓植物 遠くヨーロッパからシルクロードを伝わって日本でも唐草模様に表現され、長く途切れず続くことを願うものだとか
そんなわけで、新しい家もツタの生える場所は 前と同じうねトタンを用意していただきました。
壁一面にツタが青々とした蔓を伸ばすことを心待ちにしています。

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