咲き競う花の憧れ

希望の空は輝きて
力のかぎり はげむとき
花それぞれに 咲き競う

宮城県鼎が浦高等学校は、平成十七年四月に宮城県気仙沼高校と統合し、創立以来八十年余のその歴史を閉じました。
校舎は統合から五年あまりが過ぎ、今年いよいよ解体されることとなりました。
廊下ごとに大きな鏡のある女子高らしい校舎を眺めながら、勢いある鼎生を思いました。
全く校歌のとおりです 【力のかぎり】、そして【咲き競う】のです。
体育大会 水泳大会 合唱コンクール 予餞会 鼎祭 数々の行事に全力で、今考えると不思議な位 頭の先から足先まで全身で一生懸命でした。あんなにパワフルで、創造力豊かで、前進するエネルギーに満ちた場所があるかと 鼎生はみんながそう振り返ります。
受験や部活動で忙しい中 伝統の行事は何一つ、どれ一つ、あきらめることなく 続きました。
音楽家の加古隆さんが作ったCDでは 鼎が浦高校を【咲き競う花の憧れ】というタイトルで表現しました。
SMAPは世界にひとつだけの花 で どれもみんなきれいだねと
うたいました。 それは確かにそうだけれど、ふと 気仙沼は咲き競うのか、と考えました。
この地は ずっと古くから、漁師まち。
漁師はそれぞれの技で漁を競うけれど 男不在の陸の暮らしを守る女性陣は 助け合わなければ暮せなかったでしょう。一般的に、神事は男の人のするものですが 気仙沼には女性だけで行う「七福神」などの神事もあります。
家の中の仕事も 畑仕事も 助け合いながらも、競いあうのです。
そんな土地から湧き出るエネルギーが、鼎が浦高校に間違いなくあったのかもしれない そんなことを思いました。
気仙沼は咲き競う、明るく元気な女の人がたくさんいて、 多くを語らないがっしりとした男の人がたくさんいます。